「コロナ半端ないって」赤字続く京都市地下鉄 12月ダイヤ追加見直し 京阪大津線も減便

京都市交通局が2022年12月17日(土)に昼間時間帯の市営地下鉄ダイヤを見直すことに続き、京阪電気鉄道は12月19日(月)に大津線の平日ダイヤ変更を実施します。

地下鉄烏丸線の新型車両として導入が進む京都市交通局20系電車(ポニー/写真AC)
地下鉄烏丸線の新型車両として導入が進む京都市交通局20系電車(ポニー/写真AC)

烏丸線・東西線とも昼間減便

新型コロナウイルス感染症の影響により利用客数が大きく減少したことにより、交通局では2020〜2021年の2年間に、市バス・地下鉄両事業を合わせて約270億円の減収となりました。両事業の経常損益も2年連続の赤字となり、特に、地下鉄事業は2020年度決算で財政健全化法に基づく経営健全化団体に指定され、「かつてない経営危機」に直面している現状です。2022年3月にまとめた「市バス・地下鉄事業経営ビジョン」の改訂版に基づき、職員の給与減額、割引乗車券の見直しといった経費削減を緊急で行い、経営改善を進めている途上です。

同ビジョンでは地下鉄のダイヤ見直しも経費削減策として掲げられています。昼間や夜間の利用が特に落ち込んでることを踏まえたもので、直通運転を行っている事業者への影響が少ない夜間ダイヤの見直しは2022年3月にすでに実施されました。近畿日本鉄道(近鉄)および京阪との調整を経てまとまった今回の昼間ダイヤ見直しは、両社のダイヤ変更との同時実施となります。

具体的には、烏丸線・東西線とも11〜14時台の4時間において、計4本(上下計8本)の減便が実施されます。1時間あたりでは8本から7本に減少し、おおむね7〜10分間隔の運転となります。減便後も両線の乗り継ぎ時間をできる限り短縮するよう、烏丸御池駅での発着時刻が調整されます。

この減便により5名の乗務員が削減でき、列車走行に伴う電気代も節減され、年間約6000万円の経費削減効果が得られると交通局は説明しています。なお、利便性低下を最小限にするため、朝・夕ラッシュ時間帯と、昼間時間帯のうち通学利用の多い10時台および15時台については減便を実施しないとのことです(東西線の京阪乗り入れ列車を除く)。また、始発・最終列車の時刻にも変更はありません(ダイヤ改正の概要など詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】京都市営地下鉄・京阪大津線 2022年12月17日(土)にダイヤ改正

京津線〜東西線直通列車も本数減

京阪も、コロナ禍を通じた生活スタイルの変化による鉄道利用の減少をダイヤ変更の理由に挙げています。土休日ダイヤに変更はありませんが、平日ダイヤは利用状況に応じて運転本数が見直されます。

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京津線では、朝時間帯の6時台〜9時台で2本(上下計4本)、夕方時間帯の15時台〜20時台で4本(上下計8本)の列車が削減されます。運転が取り止められる列車はいずれも地下鉄東西線に乗り入れる列車で、同線の太秦天神川駅・京都市役所前駅〜御陵駅間においても朝および夕方の運転本数が減少します。

石山坂本線のダイヤに大きな変更はありませんが、混雑緩和を目的に、平日の一部列車の時刻が変更されます。運転本数にほぼ変更はないとのことです。また、ダイヤ変更後も、沿線の学校が休みとなる春・夏・冬期の平日に「学休期ダイヤ」が設定され、平日ダイヤを基準に、7〜9時台の一部列車が運転取り止めとなります。学休期ダイヤの実施時期については、公式サイトやポスターなどで告知されます。